中華ビジネスをより面白く、ニッポンをより熱く。家電メーカー営業マンが取り組む香港ビジネス奮闘記です。


by tatsuostyle
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元上司と -4- 無限終極

20歳近い年齢差のある2人が、数奇な偶然で同じ職場で上司部下の関係と
なる。

これまで持っていた、ほんの少しの自負心や自尊心、そしてプライドの全てを
踏みにじられ、彼は、その上司は、間違いなく私がこれまで出会った誰よりも
高く私の前に立ちはだかり、それはさながら巨大な雨雲のごとく、私を暗い影で
覆った。


彼は、私の人生の仇敵と言っても過言ではなかった。

人間はドン底状態の時に初めて己を知り、目指す方向性が
明らかになるとよく言われる。

それは本当である。

さながら映画、ソーシャンクの空の主人公が求めた外界のように、
心の奥底から求めて止まない、焼け付くような喉の渇きにも似た
渇望のごとく。

あの頃、私はそれを日々ノートにしたため、繰り返して自身に言い聞かせ、
コツコツと努力した。
そして・・・
それは実現した。

自身の無力さ・限界を知ること。そしてそこからプラスに転じていく
努力を通じて、己の人生に勝つこと。逆境に置かれた時こそ、
一人の人間としての真価が問われるのではないだろうか。

既に彼に対してかつての怯えに似た感情はなく、一個人として、
表面的であるが、対等に会話を交わし、私達は別れた。
「今度、皆で飲みにいきましょう。」

我ながら、意外なほどに自然に言葉が出てきた。
自身もその後多くの転機を経験し、数多くの人間との折衝を通じて
少しは成長したのだろうか。


今後、彼と再び同じ職場、そして上司部下関係で仕事をすることはないだろう。
私自身もまた、再び一緒にしたいとは思わない。そして、彼もあと数年で退職を
迎える。もう会うこともないだろう。

彼の存在とは、天から私への試練だったのか。

私の人格形成、その後の成長にも大きく、影響を与えた男であったことには
違いない。


これからの人生で、また節目節目で私の運命を大きく変える、
そんな人間と出会う時が来るかもしれない。

たとえ、それが私にとって大いなる障害となる人物だろうが、私はそれを
乗り越えてみせる。
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by tatsuostyle | 2005-05-31 01:08 | ビジネス

元上司と -3-

「こんなところで、何をしている」

この聞き覚えのある、威圧感のある声は・・・
手元にグレネードランチャーを持っていれば、何度吹き飛ばしても飽き
足りない、心底そう思っていた上司が目の前に立っていた。

私は同ビル内のテナントに入っているそば屋で残業食をまさにとっていたところ
だった。


私から彼へ、ひとしきりの近況報告をしたのち、彼は豪傑笑いとともに大声で
話しはじめた。
「ガハハ 海外でがんばっているのか。 これもワシがお前を育てたおかげだな」

「冗談じゃない。俺はあんたに育てられたのではなく、自分で育ったんだ。」


喉まで出掛ったセリフをぐっと抑え込む。

「あの頃は大変だったよ、お前も新人だったしな」


「ほざけ!」


心のつぶやきは続いた。

ふいに走馬灯のように、多くのことが頭に浮かんだ。
目の前の上司に苦しめられていたあの頃、
既に華々しく海外出張をしていた同期連中があまりに眩しく、ことさら彼らに
激しい敵愾心を持っていた。

そして、己の境遇の不公平さ、現実の厳しさに
無人の深夜のオフィスで数度、涙したことがある。


なぜだ

何故なんだ


心の底から願っていても
縮まるどころか、ますます拡大する同期らとの距離。
自己嫌悪と焦燥感が、日々自身の中で増殖していった。

ひょっとして
自分は社会不適合者なのか。

心の救いを求めて
むさぼるように本を読んだ。

しかし
答えは、どこにも見当たらない。





よく見ると、元上司、彼は
以前に比べて彼の髪には白いものが大分目立っていた。
仕事の圧力もあるのだろう、また、子息が多いので 教育費を含めた、
家庭での資金繰りも大変なのかもしれない。

思えば、彼がこの会社に入社していた頃、私はまだ幼稚園児であった。
中学・高校・大学・・そして、就職活動。
数々の転機を迎え、20年の期間を経て、同じ会社に入社し、数多くの部門が
ある中、チームとして彼の部下となる。
これは偶然なのか、それとも意味を持った、めぐり合わせなのか。。。



次号、最終話
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by tatsuostyle | 2005-05-29 21:12 | ビジネス

元上司と -2-

元上司と会った夜の続きをする前に、あの長い苦しみの中、
心の柱がぼきり、と折られ、ほとんど鬱患者になりかけていたあの頃、
私の最後の支えになったのは、カナダの作家、ロバート・サーヴィスの詩で
ある。
それを今一度、ここで思い起こしたい。


荒野で道を失ったら、あなたは子供のようにおびえる
そして死の恐怖が襲ってくる
あなたの心は腫れ物のように痛む
ピストルの引き金が引かれて・・・・、定石どおりに死ぬ
しかし、人の掟は「力の限り戦え」と言う
自滅は許されない
飢えても、悲しくても、ああ、死ぬのは簡単
難しいのは、毎日出される朝食のように日常的な地獄の苦しみとの戦いだ


あなたはこのゲームには飽きている
「ああ、なんと恥ずかしいことか」
あなたは若く、勇敢で、賢い
「不当な仕打ちを受けた」
わかっている。だが、叫んではならない
頑張って、戦うことだ
頑張り通すことで勝利は手に入る
だから、臆病になるな
勇気を奮い起こせ、簡単にあきらめてはいけない
難しいのは、元気を出して頑張ることだ


負けたといって死ぬのは簡単だ
尻込みをして、へつらうのも簡単だ
しかし、戦うこと、希望がなくなっても戦うこと
なぜか。それが最高のゲームだからだ
たとえ血みどろの戦いで
何もかも破壊され、打ち負かされ、傷ついても
もう一度頑張ってみろ。死ぬのは簡単だ
難しいのは、続けることだ


次回へつづく
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by tatsuostyle | 2005-05-28 01:01 | ビジネス

元上司と

入社2年目~4年目の頃、ほとんど鬱病になりかけたことがある。
その頃の上司は日々異常に厳しく私に当たり、さらには私の人格を総否定し、
職場全員の前で、糾弾する、というのが日常茶飯事であった。
今でいうとパワハラというやつだ。

毎日、逃げ場のない状況に追い詰められたこともあり、
その頃は夜寝る時に、

「このまま永遠に朝がくるな」

と願って就寝し、
週末においては、土曜日の夜に月曜のことを考えると胃がズキズキと痛み、
食事が喉を通らなかった。

朝、電車で通勤した際、空いている窓を見て
「今ここから飛び降りたら楽だろうなぁ・・」と空想し、
ビジネス誌の鬱病セルフチェックリストでは
20個の項目で18個マルがつき、

「へへ・・・俺は鬱かよ・・」
と自嘲気味に笑っていた。

そんな悪夢の日々が続いたが、その後異動もあり、上司と離れ
今は不死鳥のように、元気モリモリでやっている。

その思い出が、ほとんど忘却の彼方へなっていて久しいさなか、
昨夜、ばったりとその上司と再会した。

そして・・・

次回へつづく
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by tatsuostyle | 2005-05-27 01:01 | ビジネス

次に来る中国ビジネス

中華圏において、コピー品や偽ブランド品の横行はもはや日常茶飯事である。

日本ではそれほど取り上げられていないが、中国では食品、特に加工食品におけ
るニセモノの多さはもはや社会問題となっている。

ほんの一例を挙げると・・・
・髪の毛を溶かして作った醤油
・汚水で揚げた揚豆腐
・古タイヤを溶かして作ったガム
・浴槽に着色剤をぶちこみ、病気で死んだ家畜を放り込んで色付けした
 鶏肉、豚肉。
・石灰と発ガン性物質たっぷり入り混じった粉ミルク

まさにうげげ、だ。
これらの商品が普通に、一般のお店で陳列され、売られている。
私達も知らずのうちに摂取しているのかもしれない・・・

実際これらを食した結果、死者も出ており、特に粉ミルクでは
沢山の幼児が栄養失調で亡くなった。ここまでくると毒ミルクだ。

これらのニュースは香港・台湾ではかなりの衝撃をもって伝えられている。
なぜこういった粗悪品が一般の店舗に普通に流通しているのか、製品に対する規
格審査・規制等は機能しているのか。やはり袖の下の世界で、パスしているのか。
疑問が絶えない点が多い。

そういう意味では、今後、富裕層が増えるにつれ、健康や美容という分野は相当
のポテンシャルが秘められたマーケットといえよう。

ニセモノかどうかを判別する簡易型チェッカーなどが出れば思わぬ形で
ブレイクするかもしれない。
しかし、さらには、そのチェッカー自体をパクッたニセモノもまた出るだろう。

いずれにせよ、このニーズに対する商機を、もっとシーズを見つけねば・・・!
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by tatsuostyle | 2005-05-25 00:21 | ビジネス

接待悲話

海外からの来客の際、最も苦心するものの一つに食事接待がある。

特に香港は美食家が多く、食に関して一家言を持つ。

来日期間が長い場合、各部門で食事接待を持回りで行うため、
事前の段取り調整が命だ。

とある日の夕食時、まさに自身が接待中、翌日に接待予定の部門の
課長から電話があった。

「明日は鳥料理で調整中だが、先方の口に召すかどうか」
いつもと違うトーンの、かなり切羽詰った声だ。
きっと彼は直属上司から
絶対に粗相がないように、という
プレッシャーをかけられている様相が伺える。

「大丈夫です。鳥料理は。」

東南アジア方面では宗教等の関係で豚肉や牛肉が不可で、かつ生魚を食さない
など、制約条件が多いところがある。その中で、鳥料理は万人受けする料理である
といえよう。

その部門の接待が終わった翌日、得意先代表からおもむろにこう言われた。
「私は昨日の鳥料理OKだけど、おたくのとこのトップ、鳥料理全くダメだったけ
どよかったの?可哀想に、野菜少しとスープしか口にしてなかったよ」」

そう、
あまりに気を配るばかり、こともあろうが自部門幹部の嗜好について全く
考慮にいれてなかったのだ。

その後、ぎゅっと絞られたのは言うまでもない。。。

まさに「灯台元暗し」
と言いたい所だが、
ここは

「食べ物の恨みは怖い」であろう。
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by tatsuostyle | 2005-05-23 23:56 | ビジネス

海外営業とは

家電メーカーの海外営業はどういう仕事をしているのかと、多々聞かれる
ことがある。これを機会に簡単に紹介したい。

日系家電メーカー各社の事業分野は相当に広い。ざっくり分けると
AV・情報機器や白物家電を含む家電事業、電子部品・モーター、
半導体などを含むデバイス営業、対企業や官公庁、施設向けのシステム
事業がある。
私自身は今、家電事業を担当している。

会社自体が全く事業構造が異なるビジネスの集合体でもあるので、
ある意味商社顔負けに事業領域は広い。

家電事業は最終ユーザーに最も距離が近い。そのためヒット商品の
有無がそのまま企業イメージにダイレクトに反映される。
アップル社のi-pod やシャープの液晶など、デジタル家電などがそうだ。

その中で、家電の海外営業の仕事内容自体をものすごくシンプルに言うと、
「4Pに基づいて、市場ニーズに合致した商品を導入し、現地の生活文化に
貢献していくこと」だろうか。

4Pとは知られている通り、マーケティング用語でよく使われるもので
それぞれ下記の通りである。

Product…商品
Price…価格
Place…場所
Plomotion…販促

営業は、市場ニーズにあった商品を顧客・現地パートナー
(代理店・販売会社等)とともに企画開発し、販売店やディーラーも儲かり、
かつ市場で売れる価格帯を設定し、各流通チャネル(量販店・専門店等)へ
販促(広告・宣伝・インセンティブ)を交えて商品を立ち上げる、というのが
一連のサイクルである。

香港は人口680万のマーケットであるが、消費者層の所得が高い
ため、中華マーケットにおけるマーケティングの実験場の役割を兼ねている
感がある。特に今は群雄割拠の状態であり、中国・韓国・欧米・日系含め
入り混じって戦国時代の様相である。

「最高というものに終わりはない」
どこかで聞いた、ビジネスマンの言葉である。

自身の売りをあげて満足するだけの営業マンでなく、日本自体のブランドを
高められる活動をしていきたい。
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by tatsuostyle | 2005-05-22 00:35 | ビジネス

会議でのバトル

一般にメーカー内では営業部門と工場(開発・生産含む)は仲が
悪いと言われる。

営業は価格競争力のある、市場が求める商品をタイムリーに出せない
工場側の能力を罵り、工場側は商品スペック、特長をきちんと市場に
訴求できず、すぐに価格値下げを要望する無能な営業どもめ、と蔑む。

健全な議論をしているうちはいいが、両部門のトップ幹部が互いへの
非難を過ぎると、相互不信に陥る。

そうすると市場や顧客を無視した内部での泥沼的な主導権争いに
没頭し、行き過ぎると往々にして悲劇を生む。

商品が売れない⇒相互非難⇒現場ニーズを無視した独善的な商品開発強行⇒
更に売れない⇒業績悪化⇒人員削減

極端だが、このような負のスパイラルに引きずりこまれる。

この場合実は大抵、両方の言い分は的を得ていて 正しい。

問題の一つに工場側が市場実態や顧客が真に求めていることを
知らない、もしくは営業が正しくフィードバックをしていないかである。
一ユーザーとしての感覚を製造側が持たないと、文字通り作り手の論理で
商品は開発され、工場原価から営業、市場まで諸費用を積上げた
価格建てとなり、結果、市場から遥かに乖離した売価となる。

正しくは市場が求める価格帯から逆算して、工場原価をシミュレーション
しないといけないのだ。そのために、どこを工夫し、コスト削減して
実現するか、両者が課題解決型思考で取り組まねばならない。

ではどうすれば、工場側にマーケットを認識してもらうのか。

市場をよく知っている顧客に来てもらって顧客・営業・工場の3者で会議を
するのが最もよいのである。

ただ、議論がとめどなく膨らんでなかなか決着がつかない、というのは
古今東西共通の悩みであろう。。。

今日も引き続き本会議。
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by tatsuostyle | 2005-05-20 07:31 | ビジネス

香港客先との接待

商品会議のため、香港の得意先一行が来日した。
明日からの本会議を控え、日本側の幹部を交えて夕食懇談会を行った。

最近は香港人の中でも日本語を流暢に話せる人がいるので、双方の
コミュニケーションがより蜜になってくる。また、英語を話せない一部の
日本側上層部にとっても緊張せずに話せるので
食事中の会話も一層はずむというものだ。

懇談が進む一方、食事次々と運ばれてくる。一人一人のお手元脇に
コース料理のしおりがあるが、メニューについて香港側から質問が飛んだ。

これはなんて発音するのですか?
見ると「鮎の塩焼き」とある。

これは「あゆのしおやき」、といいます。

ではこれは?

鰆の味噌幽庵焼き

「魚へんに春だと?くっ、読み方がわからん!」
心の中で冷や汗をかき、
言葉に窮して思わず上司に振る。
これは「さわらのみそゆうあんやき」と読みます

じゃあこれは?

鱧の東寺揚げ

「魚へんにゆたか?!こいのことか?。。。 いや、こいの漢字は鯉だな。。」
うぅ!こいつは。。。

隣の上司も言葉に詰まり、慌てて店員を呼んでよみがなを確認しようとした。
するとその若い店員も一瞬間を置いて固まり、
確認を求めて厨房に走った。

結局、読みがなは「はものとうじあげ」とのことだった。

香港人からすると、知性を疑われても仕方の無いほど、己の無知を露呈
してしまった。

「日本をよく知らずして、真の国際人たりえない。」

以前、何かの本で読んだフレーズが脳裏をよぎる。
最近、海外で和食、特に刺身や魚料理はよく好まれているので、最低限の
ネタの漢字はよどみなく、読めるようになりたいものだ。

明日から、本会議。
ガチンコ勝負が始まる。
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by tatsuostyle | 2005-05-19 00:32 | ビジネス

ビジネスプラン作り

社内起業用のネタをブラッシュアップすべく、フォーマット化して配布された
ビジネスプランニングシートに取り組んでいる。

いざ書き始めると、かなり、いろいろな項目でうぐぐと詰まってしまう。
例えば・・

・一言でいうと何をする会社で、世の中にどう貢献するのか
・勝ち続けるためのキーとなるコアコンピタンスとは
・どこで儲けるのか、収益の構造は
・成功するための要因は
・5年単位での事業計画は

等々。。

会社の仕組みに乗っかって仕事をしていると、全くこういう
クリエイティブシンキング的な面で脳みそを使っていなかったことがよくわかる。

起業をすることは簡単だ。会社を作ることは簡単だ、とホリエモンは言っている。
本屋に行って「会社の作り方」のような本を買ってそれに沿って手続きすれば
よいだけだと。

確かに、会社を興すのは屋台をおこすのと同じ感覚なのかもしれない。

ただ、それを短期的にでなく、永続的に勝ち続けるための仕組みにして
いかなければならない。
24時間、牛馬車のように働き続けねば収入がなく、自身が病気になって
休んだとたんにパタリと売りがなくなる、そんな会社にしてはならない。
仕組みで勝つビジネスモデルとはなんなのか。。 

もっと、もっと頭を使わねば。

今日の夕刊の長者番付表を見て、自らに言い聞かせる。
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by tatsuostyle | 2005-05-17 01:00 | ビジネス