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中華ビジネスをより面白く、ニッポンをより熱く。家電メーカー営業マンが取り組む香港ビジネス奮闘記です。


by tatsuostyle
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如月の香港

春節明けの香港に出張で来た。

今月末で香港市場を担当していよいよ満4年となる。
04年から08年までの4年間で、私が感じた香港の大きな変化を
数回に分けて書いていきたい。


1.香港ドルと人民元の逆転
04年当初、香港ドルと人民元のレートは1対0.92。
香港市民は国境沿いの中国領深センでも、香港ドルをそのまま使うことが出来た。
ところがそれから間もなくレートは1対1となり、ついに1年前からレートは1対1.2と逆転。
今や深センで香港ドルの受付をする小売店はほとんどなく、むしろ香港側が
化粧品店や家電量販店などで人民元での購買を受け入れるようになった。

香港ドルは米ドルとのペッグ制を採用しているため、レートはUS$=HK$7.8 と
ほぼ固定されている。それは、米国の金融政策と歩調を合わせざるを得ないことを意味し、
昨年後半から米国FRBの立て続けの利下げに追随した。

香港は中国本土からの野菜や肉類、電力の輸入に頼っている。
物価の上昇が続くなどインフレ傾向であるため、本来は金利を上げて抑制を
しないといけないのに、米国と歩調を合わせて利下げをするので、ますます
投機マネーが生まれ、不動産などではバブルが生じている。

現在、人民元は米ドルに対して、高くなっていく一方なので
米ドルに引きずられて今後ますます香港ドルは人民元に対して弱くなるだろう。




香港が中国に返還されて11年たつ。
あと39年は現行の1国2制度の体制が維持されるが、
いずれ香港ドルはその歴史的な役割を終え、もっと早い段階で
人民元との通貨統合が起きるのかもしれない。
by tatsuostyle | 2008-02-28 23:52 | ビジネス