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中華ビジネスをより面白く、ニッポンをより熱く。家電メーカー営業マンが取り組む香港ビジネス奮闘記です。


by tatsuostyle
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会社が解体されるということ

今月は電機業界に立て続けで、大きな変化が訪れた。


三洋電機の会長、社長は遂に辞任を余儀なくされる一方、
日本ビクターも外資ファンドに売却され、いよいよファンドによる解体がはじまる。


わずか数年前、三洋はエクセレント企業として
雑誌によく持ち上げられていた。

デジタルカメラ、携帯電話、電池、洗剤不要の画期的な洗濯機・・・
利益、話題性に事欠かず、まさに飛ぶ鳥を落とさんばかりの勢いであった。



またその頃、
三洋は幹部候補生の早期育成にも力を入れていて
確か日経ビジネスの記事だったが、入社1年目の若手社員が
グループ企業の年金プランを策定し、2年目にシンガポールへ赴任して
リーダー的な仕事を与えられている、という記事があった。


同じ業界で、こんなにも違うのか・・・

その頃はそう想わずにはいられなかった。

彼は・・・
一体今どこで何をしているのだろう。



また、
日本ビクターもかつて黄金時代を誇った名門企業であり、
VHSの成功があまりにも有名だ。
今でも欧州でのブランド力は高い。


三洋も日本ビクターも、
これから支援母体である金融団から役員やら実務部隊が大量に送り込まれ
事業単位ごとの査定を経て切り離し、売却が加速するだろう。



ビデオデッキ、パソコン、携帯電話、薄型テレビ・・・
電機業界には次々と社会を劇的に変化させる画期的な商品が生まれては、
市場が飽和すると過当競争に陥る、という逃れられない宿命がある。


普及ステージにおける爆発的成長の最中、密かに進行している
 "終わりの始まり"。




平家物語でおなじみのうたがある。


祇園精舎の鐘の声    諸行無常の響きあり
   
沙羅双樹の花の色    盛者必衰の理をあらわす
   
驕れる者久しからず   ただ春の夜の夢の如し
    
猛き人もついに滅びぬ  ひとへに風の前の塵に同じ


春の息吹が近づく中、
当事者にとってこの状況は、
まさしく"春の夜の夢"であってほしいと、切に願っているだろう。



これら一連の出来事は対岸の火事ではない。

明日は我が身であり、私達の業界はこれからも非連続の衝撃と戦い続けねばならない。

そういうことだろう。
by tatsuostyle | 2007-03-28 22:46 | 軽めの話題