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中華ビジネスをより面白く、ニッポンをより熱く。家電メーカー営業マンが取り組む香港ビジネス奮闘記です。


by tatsuostyle
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まるでドメスティック

私は現在香港向けの海外営業をしているが
日常の業務の中で、法規や品質、技術に関するフォロー事項も多い。

最近、仕事で特に苦労するのは
営業ではもはやフォロー不能な、かなり複雑で専門的な問題について
事業部のしかるべき部門の担当者の協力を仰ぐことである。

海外へ展開している企業であっても、事業部によって
温度差は大きい。

一般的にグローバル展開が進んでいる商品、
例えばエアコンなどは、事業部の担当者も英語が出来て、技術的なやりとりも
ほぼ自己完結でできるため、客先へもスムーズに対応が進む。


しかし、海外展開があまり進んでいない、
もしくは国内に売り上げが依存している商品の事業部は、
えてして片手間で海外の問い合わせに対応しているため、
時に露骨かつ邪険な対応、またはひどく営業に依存した対応をされることがある。

よくあるパターンは、

「国内ではそんな事例は発生していません。そんなことを言っているのは
おたくの客だけですよ。」

だとか、

「うちは英語ができる人がいないので、申し訳ないが日本語レポートで渡すから
それを訳して客と話しておいて下さい」

などがある。


そういう人たちは密かに「まるドメ」と呼ばれている。
日本国内市場至上主義、唯我独尊を意味する、「まるでドメスティック」の略だ。



日本の携帯電話ビジネス(ハードウェア)は、
機種が複雑、高機能化しすぎて、
外国企業にとってほとんど参入不能な市場となっている。

しかし、日系企業は過度に国内市場に集中しすぎた結果、
大きく海外市場で出遅れ、今や日系全社の海外シェアを足しても世界の
1割以下でしかなく、ほとんどの企業にとって不採算事業になりつつある。

中(日本)に強く、外(海外)に弱い内弁慶ビジネス。

どんなに日本市場が急成長していても、人口減の時代に突入している今、
成長が頭打ちになる時がやがて来る。
その時、慌てて海外事業を強化しても、既に手遅れだろう。


この業界はまだ本格的なM&Aにさらされていないが、
既に三洋電機のように、かなりの事業が分解、
さらには撤退に追い込まれた企業が出てきている。


電機メーカーは、同じ轍を踏んではならない。


営業と技術者たち。
私達は過去の栄光というぬるま湯に浸かっている暇などないのだ。
by tatsuostyle | 2006-12-10 23:16 | ビジネス